昨日のつづきのような感じで
今日は、私のちょっと変わった考え方エピソードを書きたいと思います。
あれはもう10年くらい前だったかな、
その日は京都に台風が近づいている朝でした。
風はだんだん強くなり、時折突風が吹いていました。
私は、まだ幼児だった長男を乗せて車で買い物に向かう途中
その日はなぜか、これまで通ったことの無い道を通りたくなりました。
狭い住宅街を抜け、古い小さな婦人服店の前を通りがかったとき
「ドゴンッ」
わりと大きな衝撃が、私たちの乗っている車にかかりました。
慌てて車を止めて、外に出てみると
でっかい木の扉が一枚、私たちの車に飛んで道端に落ちていたのです。
びっくりして見渡すと
その婦人服店の入り口の扉が突風で飛ばされて飛んできたようでした。
当時、新車で買ったばかりの車でした、、、まだ傷ひとつ付けたことがなかったのですが、
後方側面にかなりの凹みと傷がついてしまっていました。
私は服屋さんに入り、奥にいる店主のおじさんを呼びました。
私 「おっちゃん、今、風で扉が飛んできて、車に当たったわ・・・」
おじさん 「えっ、、どこに当たった?」
車についた傷の箇所をおじさんに見せると
おじさん 「この傷はそうかもしれんけど、この凹みは違うんちゃうかなぁ」
私 「ううん、ごめん。この車、新車でまだ傷ひとつ付けてないねん。
だから、これ全部、今付いた傷やで」
おじさん 「・・・・そうか、、、」
そのあと、おじさんは何やら言い訳のような、長々と話し始めました。
おじさん曰く、
確かに見てわかりましたが、その入口の木製の扉(引き戸)は、おじさんの手作り(修繕)で、
きちんとレールや入口の大きさにはまっていなかったんです。
そして、チラッと口にしましたが、「前にも一回、飛んだんや」と言っていました(^^;
そんなこんなを聞きながら、私は車を側道に停めて、小さな息子を抱いて店の中に入りました。
私は、傷の感じから、修理代はきっと10万弱かかるんじゃないかなぁと思いました。
そのとき私は、おじさんの話と、自分の性格から、ある名案を思いつきました。
ひとしきり話したおじさんのあとに
「あの・・・ちょっと変な話しかもしれないんですが・・・わかってもらえるかわからないです が・・・私の思ったこと聞いてもらっていいですか?」
「あのね、私、別に車に傷が付いても気にしない人間なんで・・・で、きっとこの傷の修理代、結構すると思うんですよ・・・で、もし良かったら・・・っていうか・・・この扉、何回も飛んでるんやったら危ないと思うんですよ・・・今日も私ら車じゃなくて歩きやったらって思うと・・・そやし、車を修理する代わりに、この扉、直しませんか・・・?」
私はめっちゃドキドキして話しました。
これはきっとわかってもらえない。そう思いながらも、丁寧に話しました。
おじさんはちょっと間をおいて
「・・・・んーーーー・・・・・・それやったら・・・・これで勘弁してもらってええか?」
そう言って
一万円をレジから出して差し出したのです。
ちょっと、ショックでした。
おじさんは、私の話しが理解不能なだけでなく、何かこの子、別に気にしないって言ってるから、じゃあ、これで勘弁してもらおう。
と、自分に都合のよい解釈をされたんです。
私はちょっとムッときて
「おっちゃん、私、この一万円もらっても何の一万円なんかわからへん。これでは扉も車も直らへんし。扉を直すか、私の車を直すか、どっちかにしてください。」
そう言いました。
すると、おじさんはちょっと残念そうに、
「ほな、車の修理の見積もりもらってきて、また教えて・・・」
と言いました。
すぐに見積もってもらうと、修理代は8万円ほどでした。
”” あ~、やっぱりなぁ・・・””
と思いました。
おじさんに見せに行くと
「えっ、、こんなかかるんか・・・」とがっかりしていました。
私も、がっかりでした。
おじさんはそこまで掛からないと思っていたんだなと思いました。
でももう、話を戻す雰囲気でも無かったので
私は、おじさんがくれた修理代を頂いて、車を直させてもらいました。
それから数年経って、お店の前を通ったとき
まだ扉はそのままだったけど
どうかまた飛んだりしませんようにと願うばかりです。
ん~、確かにちょっと変わってるかもしれないけど
ただ単に、傷つけられたから修理してもらう。だけの出会いじゃないような気がしたんですよね・・・。
そのとき、ふと思いついたまま発言したんだけど
私も知らない人に、そんなこと言えたの初めてだったので、それは良い経験になりました。
おじさん、びっくりさせてごめんね。
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